MAG

中野雅之 × AVIOT2022-12-20

WA-Z1PNKはどんなジャンルの楽曲でも過不足なく楽しめる。中野雅之が語る、良いヘッドホンの条件とは

BOOM BOOM SATELLITES、THE SPELLBOUNDのメンバーとして活躍する中野雅之さん。音楽家として音へのこだわりを強く持つ中野さんに、WA-Z1PNKの使用感やヘッドホン選びで重視するポイントなどを伺いました。

<中野雅之 プロフィール>
1997年にヨーロッパでデビューしたBOOM BOOM SATELLITESのメンバー。エレクトロニックとロックの要素を取り入れながら新しい未知の音楽を創造し続け、国内外の大型ロックフェスティバルやツアーを敢行し絶賛される。2016年10月にボーカリストの川島道行が脳腫瘍により逝去し、バンドとしての活動を終了。2020年12月からはTHE NOVEMBERS 小林祐介と共にTHE SPELLBOUNDを結成し、活動中。

WA-Z1PNKのサウンドはストレートで聴きやすい

WA-Z1PNKを試聴しての第一印象はいかがでしたか?

とてもストレートなサウンドで聴きやすかったです。これって意外と難しいことなんですよね。これまで試してきた良いと言われているヘッドホンやイヤホンは特徴的な音作りをしているものが多かったですが、WA-Z1PNKは誇張されている帯域がなく、クリアなサウンドで聴けました。音の脚色や歪感が少なくて、輪郭がはっきりしていますね。

ありがとうございます。WA-Z1PNKは「平⾯磁気駆動型」ドライバーを採⽤することで、低音域から高音域までフラットで理想的な振動が得られるようになっており、低歪で位相乱れの少ないレスポンスを実現しています。

ヘッドホン自体も軽量で、快適な装着感でした。レザーの質感も良く、上質でおしゃれなものを身につけている感覚があります。

WA-Z1PNKは有線・無線どちらでも使えるのが特徴のひとつですが、使い勝手はいかがでしたか?

有線と無線を切り替えられると、音楽を楽しむ選択肢が増えますよね。無線だと、料理や散歩をしながらなど、あらゆるシチュエーションで、自由に音楽鑑賞を楽しめます。

有線は自由に動けない分、音楽鑑賞に集中できます。音楽を聴くことだけに集中することって、現代社会ではすごく贅沢な時間の使い方ですよね。ぜひじっくりと音を楽しんでもらえたら。有線の場合はケーブルや接続先のデバイスによっても音がガラッと変わってくるので、ベストな環境を探す楽しみもあると思います。

このようにひとつのヘッドホンで使い分けができるのは、大きな魅力ですよね。一般的に、無線と有線の音を音質的に比べると、どうしても後者の方が有利ですが、WA-Z1PNKは無線と有線の音の差もわずかだと感じます。

ヘッドホン選びで重視するポイントは、ストレスがないこと

中野さんがヘッドホン選びで最も重要視するポイントは?

僕は、ストレスがないことを一番重要視しています。何かが誇張されて何かが聴こえない状態だったり、歪感が多くて実音と奥行きの境目がなくなっていたりすると、聴いていてかなり疲れを感じてしまうんです。

音質だけでなく、重かったり装着感が悪いといった取り回しの悪さもストレスのひとつ。なので、普段は有線より自由に動ける無線派ですね。ストレスがない快適な状態で音楽を聴けることが最も重要なので、音質よりも使い勝手の良さを求めるタイプです。

今の時代はストリーミングが普及したことで、気軽に音楽が聴けるようになりましたよね。オーディオ体験がライトになっている分、音楽家である僕自身もオーディオプレイヤーを使うより手元のスマートフォンで聴く方が楽だなと感じますし。そんな時代の中、気軽にリッチなオーディオ体験ができるWA-Z1PNKは素晴らしいなと思いますね。

どんなジャンルの楽曲でも楽しめる「WA-Z1PNK」。中でも、最も相性がいい楽曲は?

中野さんが考える、WA-Z1PNKに合いそうだなと思うジャンルや楽曲は何ですか?

WA-Z1PNKは、どんなジャンルの楽曲でも過不足なく楽しめるヘッドホンだと思います。例えばトランジェント特性をゆるくしてあると、クラシックは楽しめるのにビートミュージックは楽しみにくくなってしまいます。エッジを立てているモデルだと音がはっきりする反面、クラシックを聴くと平面的で奥行きが感じられないということが起こってしまうんです。WA-Z1PNKは、どの帯域でもクリアに聴こえる素晴らしいモデルだと思います。

僕はオーディオチェックのときにBLACKPINKの楽曲をリファレンスにして全体のレンジ感や歪感、抜け感などをチェックしています。それと、今回はQueens of the Stone Ageも聴いたのですが、どちらも充分に楽しめました。

中野さんが手がけた作品の中で、「ぜひこれを聴いてみてほしい」と思う楽曲も教えてください。

僕が今メンバーとして活動しているTHE SPELLBOUND楽曲はダイナミックレンジが広いので、WA-Z1PNKのポテンシャルを発揮しやすいと思います。特に、先日リリースした『すべてがそこにありますように。』のカップリング曲である「約束の場所」は、マッチすると思うので、ぜひ聴いてもらいたいです。

あと、BOOM BOOM SATELLITESが最後に出したシングル「LAY YOUR HANDS ON ME」は、奥行きを持ったサウンドデザインで制作しているので、音の広がりを楽しんでもらえると思います。

良い音楽を作らないと良い音は届けられない

リスナーに良い音を聴いてもらうために、音楽家として強く意識していることはありますか?

そもそも良い曲を作らないと、良い音を聴いてもらうきっかけにもなれないんですよね。いい音楽があるからこそ、リスナーを良い音の世界に引き込むことができる。その先にある音の広い世界や没入感を体験してもらえるような音楽を届けていきたいです。

<取材・執筆:伊藤美咲  / 編集:小沢あや(ピース株式会社)>